ご案内

さて、Mさんでは、1人のチラシ配布から始めた戦略展開が軌道に乗るに連れ、徐々に重点エリアを広げていきました。 それに伴い、3名体制にされました。

この3名がチラシを配布しながら物件調査を進め、見込客の現地案内をするといった形です。 なお、このときの3名が、いずれも現在では取締役に就任して、業務に逼進していることは先に紹介した通りです。
確認しますが、3名体制にするまでの同社の戦略は、基盤作りのために徹底して「ローコスト」で成約をあげる手法をとっています。 基本になるのは、1枚単価55銭のチラシです。
当初の1名から3名へと増員され、重点攻略マンションの数も増えましたが、考え方は、目標とするマンションに、自社で印刷したチラシを自分たちで配布するということです。 1,000枚配布して550円、1棟100戸あるとして、1,000枚であれば10棟に配布できることになります。
金額的にも、時間的にも、これであれば気楽にチラシ配布ができるというものです。 自社に印刷機があり、簡単にチラシを作ることができる、そして配布することができるということは、いかに戦略展開が迅速かつ気軽にできるか、想像に難くないことと思います。
同社の場合、重点攻略先に対してチラシを手配り配布する一方、新聞による折り込みチラシを併用しています。 この効果が大きいのです。
新聞折り込みの場合、55銭のチラシ単価に、折り込み費用、1枚当たり3円が加わりますから、3円55銭かかることになりますが、大変効果的な同社のチラシ戦略を、もう少しご紹介してみます。 まず、同社の折り込みチラシ戦略の基本は次のように要約できます。
・メイン物件の所在する新聞販売店に、1,000枚折り込みを実施する。 1週に5物件、1物件1,000枚なので、計5,000枚の折り込みを実施する。

同社のチラシは、基本的にB5版で片面にはメインの物件が大きく掲載されています。 反対面は、コマ形式で多数の物件が掲載されています。
新聞折り込みの場合には、同社の地域では圧倒的なシェアを誇る地元紙があります。 したがって、その地元紙の各販売店に折り込み依頼をするのですが、各販売店により持ち部数は異なります。
しかし、どの販売店にも1チラシについて1,000枚ということを徹底しています。 例えば2,000部を担当する販売店であっても、3,000部を担当する販売店であっても、一律に1,000枚とする基準通りに折り込みを依頼しています。
くれぐれもここで、「なんだたったそれだけか」と早合点をしないでください。 確かに、地域によっては2分の1、あるいは3分の1しか配達されない結果になってしまいます。
ともすると、「なんだ、それでは肝心の物件の所在するマンションに折り込みされるかどうかわからないではないか」といった声が聞こえてきますが、肝心なマンションは折り込みチラシより以前に、すでに自らの手配り配布で十分にカバーしているのです。 それとは別の発想で新聞折り込みが実施されているのです。
ここが大事です。 マンションの周りには、まるで分譲マンションを取り巻くように賃貸アパ一ト、賃貸住宅が、まるで蜜に群がる蟻のようにたくさん存在しています。
いかがでしょうか、分譲マンションを購入する方は、そのような賃貸物件に居住中の方ではないですか。 すなわち、物件の所在する販売店に折り込みを実施するという事は、そのような賃貸居住者に向けてダイレクトに物件情報をアピールすることになるのです。
前頁に掲げた書類は折り込みセンターへの依頼書ですが、毎週5物件としていますから、この書式に記入することで簡単に折り込みセンターへ指示が出せるのです。 なお、異なる5物件を掲載するのですが、時には異なる物件が同じ販売店の地域に所在することもあり、この例のように、異なる1,000枚が同じ販売店に折り込まれることもあります。
同社では、マンションへの手配りチラシにより、マンション居住者およびオーナーへダイレクトにアピールしています。 これが売り客の掘り起こしです。
新聞の折り込みチラシは、週に5,000枚に限定しながらも、確実に賃貸居住者に狙いを定め買い客の発掘に努めています。 「売り」「買い」の両面から、最低限の費用によるチラシ戦術により、的確に見込客へのアプローチを仕掛けています。
少ない人数で物件資料の収集から、チラシの作成、情報の発信、物件の紹介、契約へと効率的に業務が進められていますが、これは業務体制が有機的に組み立てられているからできることです。 たとえば、チラシを作るにしても、明確に「チラシ作成の基本パターン」が確立されています。

版下を作るときは、このパターンを見ながら処理することで、余計なことに思い悩むことなく、決められたパターンにしたがって配置していけば、短時間で版下ができ上がるようになっています。 また、事務所内に待機するスタッフについても、曜日ごと、時間帯ごとの担当者が事前に明示され、いつ誰が事務所にいるのか、自分はいつであれば現地案内が可能なのか、常時確認できるようにしています。
実は、現在でも同社のオーナーが会社に出社する時間はごくわずかでしかありません。 ほとんどは社外、それも遠隔地にいながら電話連絡等で状況を聞きながら指示を出しています。
それでも安定的に成約をあげ、社業は大変順調に進んでいます。 システムさえ組み立てられていれば、リモートコントロールで運営ができるということです。
ところで、もう1つ大きな安定成約の秘訣があります。 同社では、不動産業の物件と見込客を連動させたシステム「ハイパー・リサーチ」を活用されています。
このソフトの情報誌を作成する機能については、先にご覧いただきましたが、このソフトはさらに次のような機能があり、成約のアップに威力を発揮します。 チラシ等で反響のあったお客様は、すぐに物件案内、成約へと結びつけることができれば大変すばらしいことです。
しかし、それは不動産業者の思惑であって、実際の問い合わせ対応では、なかなか絵に描いたようには進みません。 せっかく問い合わせをいただきながらも、多くの場合は、物件案内どころか住所・氏名を聞くこともできずに終わってしまうことになります。
従来の営業パターンではそれが限界だったのです。 しかし、私の提唱する戦略では、お客様に「情報誌」というすばらしいプレゼントを用意しています。

地域の物件が網羅された物件情報誌は、不動産を探しているお客様にとってなくてはならない貴重な資料です。 それは、他の業者では手に入ることはありません。
それをお送りするのですから、喜んで住所、氏名を教えてくれます。 要するに情報誌を差し上げることで、すぐに物件案内、成約へと至らない問い合わせのお客様を、確実に自社の見込客としてキャッチしていくのです。
キャッチした見込客は、ハイパー・リサーチの見込客情報にインプットして管理します。 そして、毎月この見込客に情報誌を送り続け、無言でかつ自動的にフォローをしていきます。
従来の営業方法では、たとえお客様の住所、氏名を聞いたとしても、実際にはそのフォロー策がなかったというのが実態のはずです。

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